ハーブと香りの物語

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漆で陶磁器の修理


思い入れのある大切な陶磁器の器が欠けたり、割れたり、ひびが入っても
決してあきらめないで・・・

伝統的で本格的な金繕いの修理の方法は、本漆を用いて作った天然の接着剤で
接着し、乾燥を繰り返して、仕上げはを塗って金粉・銀粉を蒔きます。
これには高度な技術と修練、そして時間がかかります。
 
本漆の生産も日本では極端に少なくなっています。
現在では漆の多くは中国産です。日本産と中国産とでは漆の質が違うようです。
日本産の本漆はとても高価です。しかも漆はかぶれます。漆を扱う人は一度は
かぶれますが、それで免疫ができるといいます。
 
本漆での修理は私たち素人にはとても手が出ませんが、誰にでも簡単で手軽に
使える材料が開発されています。
陶磁器の器がよみがえる修理の方法をご紹介しましょう。
手軽にといっても時間はやはりかかりますが、ゆったり流れる時間を感じながら
器と向き合います。
手になじんだ器たちを修理して日々の生活に再び登場させてやりたいのです。


修理の手順
漆で繕い

◆「ホツレ」の繕い
器の縁が小さく欠けて、そのかけらもない小さくて細かな欠損を「ホツレ」
あるいは「ホツ」といいます
≪用意するもの≫ ・エポキシ樹脂(パテ)
・新漆(透明)
・金粉(または銀粉)
・カッター ・ガラス板 ・竹串
・筆 ・ルーペ ・トクサ
 ・真綿
漆で「ホツレ」の繕い
@ 不純物や手の脂が付いていると成形してもパテがしっかりと付かないので
キズの部分を漂白して洗浄する
A ルーペでキズの大きさ、角度を確認する
B パテをよくこね、キズの部分に竹串で載せる。パテはキズより少し大きめに
載せ(載せすぎない)、きれいな手で成形する
C 一週間以上おいて乾かす
D しっかりと乾いたら、はみ出した部分をカッターできれいに削る
爪ではじいたり指の腹でなぞってみて、段差がないか調べる
E 乾かしたトクサで、力を入れすぎないようにパテと器が一体化するように研ぐ
F 最終的に、手で触ってどこがキズか分からないようにする
G 漆を載せる
この時、キズに指紋や手の脂がついているので、ぬれティッシュで拭いておく
H ガラス板に使う量の新漆を出す
I 筆の2/3くらいまで新漆をつけ、ガラス板の上で漆の量を調整する
J ホツレ部分に、漆を塗るのではなく、漆を載せるような感じで塗る
K 15分程おいてから、金粉を蒔く
L 蒔き筆に金粉を含ませ、筆をやさしく左右にはじくようにしながら、毛先から
金粉を落とす
M すぐに真綿に金粉をつけ、触れるか触れない程度に細かく磨く
N 真綿で磨くことによって光沢が出て、金粉の定着が良くなる

◆「にゅう」の繕い
器の表面に入ったひびを「にゅう」といいます。「ホツレ」や「にゅう」を
そのままにしておくと、いずれはひび割れが進む原因となります
≪用意するもの≫ ・牛乳 ・新漆
・金粉(または銀粉) ・ガラス板
・筆 ・ルーペ ・トクサ
漆で「にゅう」の繕い
@ 鍋の底にぼろ布を敷く
A 「にゅう」の入った器を入れ、「にゅう」が隠れる位に牛乳を入れる
B 牛乳を沸騰させないように火加減を調節して、1〜2時間煮る
C 火から下ろし、鍋が冷めるまでそのままにしておく
D 冷めたら器を取り出し、牛乳を洗い落とす
E 乾かしてから、ルーペで「にゅう」の中に牛乳の成分カゼイン質が
入っているかを調べる
F まだ足りない時は、@からやり直す
G 新漆をガラス板に出し、筆で「にゅう」の部分をまたぐように線を描く
H 漆が「にゅう」の中に染み込んで行くようなら、何度かGを繰り返し、
凹みをなくす
I 乾いたなら、トクサで余分な漆をきれいに削り、表面をきれいにする
J もう一度「にゅう」の部分に、漆で細くきれいな線を描き、半渇きの状態で
金を蒔く

金粉を蒔いて修理した陶磁器の器は、一週間以上乾燥させれば使うことは
できますが、3ヶ月〜6ヶ月はそのままにしておく方が、より金粉が定着します。
注意点としては、電子レンジや食器洗浄機は使用しないこと、たわしなど硬いもので
擦らないこと、漂白剤や塩素系の洗浄剤は使用しないことです。


次の出番を待っていた器や道具を繕って、サラダを入れたり、お料理を盛ったりと
ふたたび器に光を当ててやると器が喜んでいるようで、わたしはとてもうれしく
なります。
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